小説 『ノロエステ鉄道』とブラジル・カンポグランデの沖縄県系人

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小説 『ノロエステ鉄道』とブラジル・カンポグランデの沖縄県系人

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ごあいさつごあいさつ

本展示会は、2020年10月に亡くなった沖縄初の芥川賞作家大城立裕おおしろたつひろ氏の没後一年、及び2022年10月に開催される「第7回世界のウチナーンチュ大会」のプレイベントとして、2021年10月に当館で開催しました。そして、このたび電子展示会を開催する運びとなりました。

当館は、大城氏から直筆原稿など約10,000点の資料の寄贈を受け、2010年に「大城立裕文庫」を開設いたしました。 大城氏は、沖縄の歴史と文化を主題とした数々の小説や戯曲、組踊台本、エッセイを執筆し、戦後の沖縄文学を牽引され、また本県の文化芸能の振興に多大な功績を残されました。

大城氏が「沖縄移民」を主題として描いた短編小説『ノロエステ鉄道』は、1978年に南米を訪問し、戦前、沖縄から初めてブラジルへ移民した、 通称「笠戸丸移民」の大城カメ老婦人から直接移民体験を聞き、着想を得たとされています。本作品は、ある沖縄出身の初期ブラジル移民の生涯でありながら、海外へ雄飛した移民一世たちが、直面した異国での苦闘と郷愁の想いを文学として表現している稀有な作品になっています。

今回の展示では、大城立裕文庫資料である『ノロエステ鉄道』の自筆原稿や創作ノートなどの他、諸機関のご協力により、 大城カメ氏へのインタビュー音源を初めて公開いたします。また、ブラジル沖縄県人会、国立国会図書館、立教大学ラテンアメリカ研究所をはじめ、 国内外の研究機関から戦前・戦後の貴重な写真等を借用し、ブラジル・カンポグランデを中心に定住した県系人を紹介しております。

本展示会を通して、多くの県民の方々が海外に雄飛したウチナーンチュに関心を持ち、今後のウチナーネットワークの継承と発展に繋がることを期待しています。

2022年3月
沖縄県立図書館長

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